SOGO SEIBU TransCulture

F18 西武渋谷店 うのまち珈琲店 A館地下2階 カジュアルレストラン街「セタンジュ」 このカフェで同じ本を手に取った人は何を感じたんだろう。

しおりとカモメマークのうのまち珈琲店は瀬戸内海の岡山県生まれで岡山県に2店舗、奈良県1店舗。それに次いで西武渋谷店セタンジュに東京進出1号店を出店しました。セルフデリバリー方式のSNS映えするカラフルなドリンク。通行人の視線が気にならないゆったりした環境。疲れないライトな内容ながら世間で評判になっている本のラインアップ。そしてなにより、同じ本を読んでる知らない人としおりを通じてコミュニケーションできるかもしれないという、孤立と分断の時代に最も求められる、時間や場所や気持ちをシェアできる人と人とのつながりこそが、この店の新しい特長です。【2022.6月記】

場所と環境は以前のセタンジュ・グルメステージとほとんど変わっていませんが、新たに目かくし壁と向き合った1人席が増えています。お友達と二人連れのお客さまとお一人でおいでのお客さまの両方にとって居心地の良い距離感のようです。

SETA氏のイラストがいかにも都会で暮らすひとたちの本や携帯を手にしているときの気持ちを表してる本の紹介テーブルです。岡山出身のシンガー・ソングライターでクリエーターのSETA氏がイラストを描いたアクリル板は感染症流行に伴い飲食店に普及したアイテム。この企画はSETA氏の楽曲を応援する活動をしていた「青山学院大学クリエイティブラボ」の学生さんが、うのまち珈琲店とSETA氏の共通点に気付き、同展を企画したそうです。イラストは「架空のともだち」と過ごすカフェのようです。

同じくSETA氏の描くブックカフェに、”あるある”的なつぶやきですね。

ドリンクや料理、お水もセルフサービスです。ドリンクや料理ができ上ったらお呼びします。

通常のおしゃれなカフェにも図書館にもあまり見られない種類の本ばかりかもしれませんね。

左が「うのまち珈琲店」オリジナルのしおり。裏に読んでる人のニックネームやSNSアカウントが書けるようになっています。
右は実際にお客さまの読みかけのしおりが入れられた本たちが並ぶお一人さま席。

左:パインとマンゴーのツートンラッシー ※季節展開
中左:青リンゴとマスカットのツートンラッシー ※季節展開
中央:クレームブリュレの季節のパフェ(キウイとマスカット) ※季節展開
中右:うのまちクリームソーダ(あか) 柑橘風味(すっきり) ※季節展開
右:うのまちクリームソーダ(あお) 柑橘風味 ※レギュラー展開

PROFILE

小田墾

Oda Tsutomu

現在36歳の小田氏は21歳の時、サラリーマン勤めに飽き足らず仲間たちとフリーペーパー作りをするうち、記事のネタになればと考え、岡山市中心市街でカフェを創業しました。そして32歳の時、ここでの人のつながりを活かし直島行フェリー港がある岡山県玉野市宇野という地方都市に出店しました。地方都市での若者のカフェ創業は地元の人々から歓迎され、廃校を使ったコミュニティイベントなどを頼まれるようになります。そのころ新たに小田氏の所に、市立図書館併設ブックカフェを作って欲しいという話が舞い込みますが、当初の図書館の書籍が使えるという話がオープン直前で破談になってしまいます。しかし小田氏は、それならば「図書館には無さそうな本を置いて、本好きとは言えない男性女性だれでもちょっと見てみたい軽い本や、おしゃれなブックカフェには置かれないような本を置いたブックカフェを始めてみよう。」と考えました。コーヒーや料理の専門家でもないし、SNSで拡散力あるPRを展開するのも得意じゃない。投資できるようなお金もない。そこで小田氏は自分にできることとして、映画「耳をすませば」のような図書カードをしおりに置き換え、今の時代多くの人が持っている、一人ひとりのSNSアカウントをつなげることを思いつきす。これによって同じ本を手に取った人たちが共通の話題でコミュニケーションして人と人のつながりが増えるかもしれない。このようにして「半分リアル半分ネットの人のつながり」が生まれました。店内に置かれたイラストレーターSETA氏の作品はお客さまの学生さんからの持ち込み企画です。このSETA氏もたまたま岡山県から渋谷に出てこられた方であったようで、ゆっくりした時間が流れる店内の雰囲気とよくマッチした絵が描かれています。小田氏はこのように色々な人たちからの持ち込まれる提案を受けながら、自分自身にできることを見極め、今の時代にマッチした、しおりとカモメを看板にした「うのまち珈琲店」を作り上げました。

お手数ですが、お問い合わせ内容欄に必ずF18 西武渋谷店 うのまち珈琲店と記入してください