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C3 八ヶ岳高原ロッジ 八ヶ岳カラマツチェンバロ 第6回「ウッドデザイン賞」優秀賞(林野庁長官賞)受賞 33万本のカラマツの植林から50年余り。国内屈指の木造コンサートホールで奏でられるカラマツチェンバロの音色は場所・空間・道具が一体となって人の心に響きます。

八ヶ岳連峰の稜線に美しく映えるカラマツ並木は、季節ごとの彩りをまとい、訪れる人を魅了します。カラマツ並木を抜けて、森と調和するように佇む八ヶ岳高原音楽堂。30年以上の時間をかけ、深みを増したカラマツの木目。木のホールならではの音色は、人々をやさしく包み込みます。宮廷文化で花開き、時代を超えて愛され続ける優雅なバロック音楽は、大自然のなかで、ゆっくりと流れる時間に調和します。ハヶ岳の地で育ったカラマツから誕生したチェンバロは、このハヶ岳の環境に適した、八ヶ岳高原音楽堂ならではの響きを奏で末永く愛される楽器になることでしょう。静謐をたたえる森に、美しく繊細な音楽が流れます。森の音楽会にようこそ。

八ヶ岳高原音楽堂
世界的な音楽家が集うコンサートホール。20世紀最大のピアニストと称されるスヴャトスラフ・リヒテルの提案と、日本を代表する作曲家・武満徹の助言で1988年に完成しました。カラマツをはじめとする木材をふんだんに使用していて、建築界の巨匠・吉村順三による自然との調和を目指した設計が特長です。

八ヶ岳カラマツチェンバロ
八ヶ岳高原音楽堂の開館30年を記念して、2018年に完成したチェンバロ。素材は地元・八ヶ岳で育った樹齢110年のカラマツで、美しい木目を生かしたシンプルなデザインが特長です。16〜18世紀に欧州宮廷社会で流行したチェンバロは、バッハ以前の音楽「古楽」の代表的な楽器で、繊細な音色が魅力です。

’20年12月、八ヶ岳高原ロッジが3年前から行っている「八ヶ岳カラマツチェンバロ・プロジェクト」が林野庁助成事業「ウッドデザイン賞」の優秀賞(林野庁長官賞)を「ハートフルデザイン部門(木を使って人の心を豊かにし、身体を健やかにしてくれるもの)」にて受賞しました。これは木を使うことで快適性を高めたり、五感や感性に働きかける、リラックス効果や健康増進効果がある、作り手や担い手の建築・空間、木製品、コミュニケーション、技術・研究などに与えられる賞です。八ヶ岳高原音楽堂では「次世代への継承」という観点から小・中学生を入場無料にし、子ども向けのガイドブック「ジュニアガイド」を用意し「次世代を担う子どもたち」のコンサート参加促進を図っています。またピアノやヴァイオリンといったメジャーな楽器に比べ、演奏機会が少ないチェンバロ奏者の活躍の場として、有望な若手演奏家をコンサートに起用しています。

受賞団体;株式会社八ヶ岳高原ロッジ、久保田チェンバロ工房、双葉林業合資会社、株式会社そごう・西武

受賞の概要;そごう・西武を事業主とし㈱八ヶ岳高原ロッジが運営管理する「八ヶ岳高原海の口自然郷」は33万本のカラマツの植樹を原点に開発56年の歴史を誇ります。’18年、敷地内の八ヶ岳高原音楽堂開館30周年に「カラマツチェンバロ」を製作。以後「自然と人と文化の共生」を伝える演奏会を継続開催しています。
受賞の理由;1960年代前半、この地に33万本のカラマツを植えることから始まり、50年余の時を経て日本最大級の高原リゾートとなった八ヶ岳で自然、森林、芸術が織りなす新たな取り組みとして評価した。国内屈指の木造コンサートホールで奏でられるチェンバロは、木目を大切にした美しいデザインが特徴的である。場所・空間・道具が一体となった感性に訴える魅力的なプロジェクトである。

PROFILE

久保田 彰

Akira Kubota

1953年東京神田生まれ。美術学校在学中から独学でチェンバロの試作を重ね、1981年に埼玉県新座市に工房を設立。国内きってのチェンバロ製作家として東京オペラシティ近江楽堂などの主要ホールなどに納品しているほか、若手技術者の育成や演奏家の活動、レコーディングなどもサポートしている。

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