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E18 西武池袋本店 誠香園 屋上 古典園芸の殿堂

「古典園芸」とは日本伝統の植物観賞の世界です。これは主に東洋蘭などを指す言葉で、徳川家康の江戸幕府開府から平和な江戸時代に発展しました。江戸時代、武士はそれまでの武力の時代が終わり美の追求を競うようになる中で、春蘭、寒蘭、富貴蘭、おもと(万年青)など、それまで市中や山野にあった植物の栽培と品種改良に情熱を傾けるようになり、豊かな植物観賞文化を生み出し大名家や格式高い武家の庭を飾るものとして広く知られるようになりました。蘭は世界に2500種あると言われ、さらに交配種では10万種といわれコレクターには奥深い世界です。現在は蘭というと大ぶりな東南アジア原産の胡蝶蘭や南米原産のカトレヤの方が一般的ですが、日本や中国原産の小ぶりな東洋蘭の種類は無数にあり、そこには広大な世界があります。そしてその一つ一つが大変個性的で繊細な姿かたちで今も多くのファンを引き付けています。東洋蘭は格調高い世界で入りにくいといわれることが多かったのですが、最近は富貴蘭と同じ着生蘭の一種のコウモリ蘭や多肉植物のファンの方などが次のステップとして東洋蘭の世界の広がりに気づかれることも増えてきました。誠香園は1981年から40年近く西武池袋本店に店を構える都内でも屈指の老舗であり、現在の店主で2代目。ここにしかない名品を求め、以前から有名野球監督など東洋蘭栽培を趣味とする著名人など多くのお客さまが全国から集まる名店ですが、初めて東洋蘭をやってみたいというビギナーや最近急速に増えた盆栽女子にも人気の店です。【2020.6月記】

富貴蘭は元々はフウランという樹木や岩場に根を伸ばして貼りつく着生蘭。かつては日本各地の村落や町のそばの身近な場所でも見られたといいますが現在はほとんど野生種は見られません。コレクター垂涎の希少な品種は一鉢で数百万円を超える価格のものもあります。毎年希少種の番付が発表されており、愛好家たちの関心の的となっています。

富貴蘭は葉の柄、花の色や形が品種ごとに異なります。6月~7月に花を咲かせます。夕方から独特の芳香を放つことが知られています。小ぶりで育てやすく個性的な富貴蘭は多肉植物の次に手に入れたいという若いファンが増えています。

1つの茎に1つの花を咲かせる「一茎一花」の春蘭は3月~4月に花を咲かせる春の花です。

一つの茎に6~7個の複数の花が上下に並ぶ「一茎多花」の寒蘭は11~12月に花を付ける冬の花です。

おもとは漢字で万年青と書く伝統的な観葉植物。古くから吉兆のシンボルといわれ、徳川家康が江戸入府の際に真っ先に江戸入りしたとされます。現代でも引っ越しの日取りの上での吉日にまず運ばれるものとされ、これが入った日を転居日とするという伝統があります。おもとと鉢を合わせたギフトは最も格調高い引っ越し祝いといわれています。葉の色、柄、形が多様なおもとの種類をそろえたい愛好家は日本各地にいらっしゃいます。

錦鉢に植えられた常緑のおもとは子孫繁栄の象徴ともいわれるおめでたいギフトです。ここには伝統的な錦鉢も各種そろっています。

伝統的な日本の名物、盆栽も各種そろっています。今や国際的に知られた日本文化の盆栽は、飾るための花台なども充実しています。

盆栽の花台は昔からの職人手づくりの手工芸品です。

盆栽と鉢と花台がそろうと一つの静謐な世界が部屋の一角やデスクの上に生まれます。

お手数ですが、お問い合わせ内容欄に必ずE18 西武池袋本店 誠香園と記入してください