千綿氏はモノを作るうえで「ストレスフリーにご使用いただける」ということを前提としているため、「雨に強く」「軽く」「強い」のが特徴です。そして、ジェンダーフリーでご使用いただけるデザイン、男女とも大型電子機器を持ち歩く時代にふさわしい機能性、電子マネーの普及によるキャッシュレス時代への対応など、時代変化への対応を大切にしています。私たちの行動様式に沿いながら、「コーディネートの主役になり、すれ違う人が自然と目を留めてしまうような、持つだけで個性が出る」デザインを目指しているchi.wata。この機能性と時代性とデザインのあるモノづくりを支えているのが、自社アトリエによる技術です。

ベルト部分にもレザーを使用し､やわらかいため､肩にかかる負担を軽くしてくれます。

様々な柄のスモールウォレット。このスモールウォレットは、手のひらに収まるサイズなのにカードだけでなく、お札や小銭まで収納できるコンパクト志向が高まる現代にピッタリのアイテムです。また柄の総数は60種類。半年ごとに変わっていくため、好みの柄との出会いは、まさに一期一会です。柄物は軽い豚革を使用し、柄部分はフィルムを圧着させて作られており、chi.wataオリジナルの柄も多数あります。一方､無地の型押しには牛革を使用しています。金具を一切使わず革のみで仕立てることで軽さとやわらかさを生んでいます。こちらも実際に手に取って、細部や軽さを実感していただきたい逸品です。

手に取って広げてみると柄が内側まで、びっしり施されています。これは、2枚の革を接着して貼り合わせることで、どの部分でも表革が出るようにしているから。そのため、一つのスモールウォレットに14枚の革を重ね合わせて作られています。これは、もともと１枚で2.5mmの厚さがある、イタリア製の上質な革を0.6mmにまで削ってから裏表を貼り合わせています。もちろん毎日使うものなので、負荷のかかる箇所には手刺しで縫い加工もなされています。また、頻繁な屈曲で生じるヒビ割れを避けるため、革の側面であるコバはあえて塗らずに、丹念に処理をしています。手のひらに収まるコンパクトなアイテムだからこそ、そこにはブランドの匠の技が結集しているのです。

バッグや小物などを幅広い志向や年代の方にご使用いただきたいという考えから、革素材にこだわらず、新たな素材開発も行っています。右2点のトートバッグは本体はキャンパス地に三角形の樹脂で作られた柄が特徴的。また左2点は従来のポリエステルより目を細かくし光沢を出した素材を使っています。ともにハンドル部分は耐久性あるレザーで作られています。このようにchi.wataオリジナルの素材も増えてきています。