
E2 西武池袋本店 武田ハム 地下1階 西武食品館 おかず市場 手軽に楽しめる大量生産できない豊かな味わい
武田ハムの売場は冷蔵ケースにパックされたハム・ソーセージをお客さまがセルフで選ぶ方式。一見そっけない売場ですが、このお店のハム・ソーセージは、お手ごろ価格なのに本格的な味だということを良くご存知の常連さんが高頻度にいらっしゃいます。
左)骨付きハムスライス 原材料:千葉県産豚もも肉 骨が付いたまま塩漬けするのでもも肉なのにとても柔らかく仕上がっております。骨は加熱後外しますので安心してお召し上がりください
右)ホワイトローストハム(無整形)原材料:アメリカ肉ロース アメリカ産チルド豚ロース肉を使用しており整形してないのでとても柔らかく仕上がっています
左)ベーコンブロック・ベーコンスライス 原材料:デンマーク産豚ばら肉 脂と肉のバランスを調整するためベーコンに適したデンマーク産の豚ばら肉を使用しております。 昔ながらの直下火によるスモークにより独特の風味が味わえます。ブロックは厚切りもお勧めです。
右)シュポラタフランク 原材料:国内産豚うで肉 シュポラタとは本来フランスのソーセージ。香辛料がふんだんに入っているので煮込み等に適しています。粗挽きの風味と食感をぜひお楽しみください
以前は豊島区内の本社で行われていた製造工程のほどんどは、現在は千葉県香取市に移転しています。ソーセージの製造工程は写真左の肉の詰め込み工程と直火での乾燥工程です。今も昔ながらの工程です。
ハムの製造は大手メーカーのように3日程度ではなく2~3週間かかります。これは機械を使わず塩水をゆっくり浸透させる工程や桜チップでの直火スモークに時間がかかるからです。これにより増量剤を使った機械製造のように肉が膨らむことはなく、逆に加工後に肉は小さくなってしまいます。しかしこれによりハムの味わいは濃いものになり、食感も一般的なハムのような弾力性のあるものではなく、元々の豚肉の繊維の食感がしっかり感じられるものになります。左はハムの塩水への漬け込み工程。右は桜チップを使ったベーコンのスモーク工程です。このような昔ながらの手間のかかるプロセスを堅実に踏みながら、武田ハムの製品はゆっくりと完成します。
ハム・ソーセージのラインアップの一部。武田ハムでは塩分濃度が夏と冬で異なります。それは大航海時代から船の上での保存食として重宝された「塩漬け肉」の頃から続いています。武田ハムでは保存料や自然塩と砂糖以外の調味料を使わないため、夏場は保存性のため職人の感に従って少しだけ塩分濃度を高めています。これは海外では当然のことですが日本ではこれを隠すために合成調味料を使う事が一般的です。しかし武田ハムではこれは使わないため夏場は少し塩味が強くなります。このような昔ながらの工程であるため武田ハムのロースハムはフランスなどで一般的なバゲットパンのジャンボンサンド(ハムサンド)に使われているハムによく似た味と食感になりますが大手メーカーのハムほど日持ちはしません。ロースハムの工程は塩漬け2週間、塩抜き、桜チップ燻製2~3時間、ボイル、カット、包装という昔ながらの工程です。
池袋から近い街にある武田ハムの本部。このドイツ風の建物で以前はハムの製造と小売も行っていました。日本では肉食の歴史は明治の文明開化以後ですが、諸外国はいろいろな必要に迫られ、国ごと地域ごとに独自の肉食文化を持っていました。例えばドイツでは長い冬のための保存食として秋になると豚一頭を加工して一冬分のハム・ソーセージを作ったり、骨付きハムのアイスバインを食べる伝統があります。ニューヨークではここに多く暮らすユダヤ教徒たちが自分たちの戒律で豚肉が食べられないため、ビーフパストラミのサンドイッチやビーフソーセージを使ったホットドッグを作り出し、これらがニューヨークの名物となりました。フランスではハムやチーズのサンドイッチを作りやすいパンとしてバゲットの形が考案されたと言います。
ドイツ風の建物に隣接する加工場。池袋に近いこのエリアから武田ハムが生まれました。日本でも江戸の大火事の際の炊き出し食から握り寿司が生まれたり、太平洋戦争後に蕎麦屋を再開したくても材料不足であったことから蕎麦屋のメニューとして煮卵ラーメンが生まれたのと同じように、保存性を高めた加工肉は肉の保存という必要性から生まれました。武田ハムではなかなか国内では手に入りにくいアイスバインやパストラミといった世界各国の食文化を象徴する専門性の高い加工肉が店頭に並ぶこともあり、世界の多様な加工肉の食文化が感じられます。
お手数ですが、お問い合わせ内容欄に必ず「E2 西武池袋本店 武田ハム」と記入してください