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E31 西武池袋本店 エス・テー・デュポン 5階 紳士服フロア 絶え間ない革新の歴史

エス・テー・デュポン(S.T.Dupont)はフランスの高級万年筆、ライター、装身具メーカーです。エス・テー・デュポンは1872年、シモン・ティソ・デュポンによって設立され、当初はブリーフケースなどを製作していました。20世紀初めにはシモンの息子アンドレとルシアンの兄弟が1点物の旅行用鞄を製造し世界の上流階級に支持されるようになります。1935年ごろからは現在でも有名な金属部分に漆を施した製品を販売し始め評判となります。しかし第二次世界大戦の開戦で旅行鞄の注文がなくなり、1941年、アンドレは最初のポケット・オイル・ライターを発明。さらに1952年には炎が調節できるガス・ライターを発表し特許を取得。特徴的な開閉音が評判となりました。1973年には高級万年筆を発表。 ここでも得意の金属の漆塗り技法が使われました。エス・テー・デュポンはフランス企業の特徴である伝統を踏まえながら革新的な進取の精神に富んだ、男性用小物のブランドであり、次々と時代の要請に合ったアイテムを開発してきました。それらは持つ人に音や触感など五感で感じる満足感を与えてくれる稀なブランドです。昔、腕時計、万年筆、ライターが紳士小物の三種の神器だった時代から様変わりした現代でも新たな革新と挑戦で時代の要請に応え続けるエス・テー・デュポンは現代のフランスらしいエスプリを持ったブランドです。現在、エス・テー・デュポンの本店はパリ2区ラ・ペ通り10番地にあります。【2021.12月記】

「イエローフレーム」と呼ばれる、伝統的なエス・テー・デュポンのメインラインのライターです。形はブランドの代表的な形である「ライン2コレクション」。縦横の長さが黄金比で、手に持ったとき、程よい重量感があります。滑り止め効果のある美しいギョーシェ彫を施した真鍮のボディーはメッキや漆で仕上げられ、さらに美しい開閉音にもこだわって仕上げられた、フランスらしい五感に訴える工芸品ともいえそうです。喫煙のための点火という機能を超えた愛玩物で、世界中にこのコレクターが多いのもうなずけます。現在のエス・テー・デュポンのライターには、この伝統的な「ライン2」に加え、ターボライターの「トーチフレーム」、炎ではなく電気で着火するテクノロジー時代の充電式ライター「E-スリム」などのラインがあります。

エス・テー・デュポンの筆記具には万年筆、ローラーボールペン、ボールペンの3種があり、デザインの中心は「ラインD」「スウォード」で、この2種類は万年筆、ローラーボールペン、ボールペンのすべてのアイテムがそろっています。ペンの前後の重量バランスが良くて書きやすいラインD。この秘密は通常はプラスチックで作られるペンの前の部分も実は漆塗り金属で作られ、適度の重量感があるため、ペンの前後の重量バランスが優れています。手前の1本はラインDの中でも特に作りにこだわった「アトリエ」で天然漆で仕上げられています。

エス・テー・デュポンの創業時から続くレザーアイテムはフラップの付いたブリーフケースと上部にファスナーが付いたドキュメントホルダーの2種類が基本で、どちらも外交官やエグゼクティブ向けレザーケースから始まったエス・テー・デュポンの伝統アイテムです。「ドキュメントホルダー」シリーズには「ラインD」「アトリエ」「ラインDダービー」の3ラインがあります。左上段が「ラインDダービー」。エンボスレザーやナチュラルラッカーなどのテクスチャーがある素材使いが特徴です。左下段が「アトリエ」、色鮮やかな色彩が特徴です。色の濃淡が醸し出す独特なディフュージョン効果は、熟練の職人によって生み出されます。右上下2段は「ラインD」の新型。エス・テー・デュポンのDNAは保ちつつ、個性的なラインDの製品は機能性、使い心地、人間工学を追求し常に前進しています。

2019年12月に発売された「ハイパードーム」コレクション。「ハイパードーム」ウオッチは、メゾンの革新の精神と最先端の素材を組み合わせて誕生した未来的なタイムピースです。一目でわかるドーム型のミネラルクリスタルガラスが文字盤と側の双方を一体カバーした今までになかったデザイン。溶けて流れるメタルにインスパイアされた立体的なダイヤル。ベルト取付け部のラグも側方に穴が開き、各種のストラップはスプリングバーで簡単に取り外しができます。これはシトロエンDS、特急列車TGV、コンコルドなどデザインの歴史を塗り替えてきた未来志向のフランスデザインにとって久々の面目躍如です。バリエーション豊かな6種類のモデルには、パーソナリティーやキャラクターを表現する名前が付けられています。

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