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E51 西武池袋本店 AJANTA(アジャンタ) 地下1階食品売場 あえて日本人向けにアレンジをしない本場インドの味

創業者ジャヤ・ムールティー氏が南インド バンガロールから来日したのは1940年元日。彼は東京工業大学に私費留学生として入学。勉学に勤しみながらも、先に来日した兄ラーマ氏の日本でのインド独立運動を助けていました。そして戦後の1957年「カレーと珈琲の店・アジャンタ」が阿佐ヶ谷のジャヤ氏の奥さまの敦子婦人の実家で誕生。そして第1回東京オリンピック前の1961年に九段に移転しました。当時、東京でインドの本場のカレーが食べられる店は数少なく、アジャンタのカレーは瞬く間に人気となりました。「とにかく故郷南インドの純粋な料理を、日本のお客さまに味わってほしい。」それがジャヤの思いでした。そのため、日本人向けにアレンジはしていません。アジャンタのレシピは、50数年変わらずに受け継がれています。かつてインドの一流レストランからシェフを招いた時でもアレンジは許されませんでした。数年ぶりにいらっしゃったお客さまからも「はじめて食べたあの時の味ですね」と喜んでいただけるよう、記憶に残るアジャンタの味をこれからも守り続けます。アジャンタは素材によって使い分ける刺激と香りとコクのクオリティーを保つため、南インド産中心に厳選したスパイスを贅沢に使用しています。また他店から移ってきた料理人が「ほかでは一週間分の量を一日で使っている」と驚いたエピソードもあります。スパイスをたくさん使うだけでなく素材を活かすために調合を使い分ける手間と工夫が、アジャンタの美味の秘訣です。【23年5月記】

伝統あるアジャンタの本格インド料理のラインアップ。上段写真は辛口のマトンカレーやキーマカレーなどアジャンタ創業以来の味が並びます。麹町本店では「麹町弁当」と呼ばれている「池袋弁当」と「三色弁当」も辛口です。中段写真は、フィッシュカレーやバターチキンカレーなどの中辛カレーとチキンビリヤニやサモサといった中辛やマイルドなカレーがそろいます。下段写真はタンドリーチキンやシークカバブといったタンドール料理や動画でアルジュンさんが作っていたポテトマサラが並んでいます。どれもが東京の本格インド料理専門店として長い歴史を持つアジャンタならではの味です。

PROFILE

井部祐介 カレル・アルジュン

Ibe Yusuke  Carel Arjun

井部さんはアジャンタの本店と池袋店で2年間の販売とサービスを経験してきました。西武池袋本店には、アジャンタが1980年代に地下2階に出店していたころからの根強いファンがいることに驚いています。またカレル・アルジュンさんはネパール出身。ドバイなど主に海外でインド料理の厨房での経験を積んでおり、2000年から日本のインド料理店で働き始めました。アジャンタでの経験は2年半で、1957年から続くアジャンタの味を池袋店で多くのお客さまに提供しています。

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