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F12 西武渋谷店 紳士靴売場 5階 紳士服フロア 渋谷流カウンターカルチャーのシューズセレクション

西武渋谷店の紳士靴売場は池袋本店とは違う傾向が多々あります。もともと西武渋谷店は1973年の創業以来、カウンターカルチャーの歴史を刻んできました。現在世界で活躍する日本人デザイナーたちを次々デビューさせた伝説のセレクト売場「カプセル」や日本の雑貨文化を生んだ「ロフト」の創業など西武渋谷店の歴史は、アカデミズムや権威主義とは程遠いカウンターカルチャーにあります。いまでこそ多くのデザイナーやショップはエスタブリッシュメントなものと思われがちですが、現在の渋谷文化の多くを生み出してきた西武渋谷店には、社会のメインカルチャーにおもねることなく新たな物を生み出す気風が今も息づいており、アートミーツライフ企画などにそれが現れています。紳士靴売場のセレクションも池袋とは異なり、女性シューズデザイナーが作るオーダーメードの繊細なシューズ、フレンチエレガンスシューズ、イタリアンカジュアルを体現するスニーカーなど、エレガントでありながらポリシーをもった商品セレクションにその傾向が見てとれます。

渋谷店では靴職人・津久井玲子氏によるLECOTT(レコット)の一点ものの展開と年2回のパターンオーダー・フルオーダー会を実施しています。<レコット>の魅力は、細やかなハンドソーンと繊細なステッチ。確かな技術とセンスでエレガントで力強い紳士靴を生み出しています。1足をすべて津久井氏が一人で仕上げているため、そのクオリティー、履き心地の良さは履いてみればすぐわかります。

津久井氏は偶然本屋で手にした雑誌で靴職人・関信義氏を知り、1993年に弟子入り。2年間の修行を経て職人の道に入ります。色々な工場で修業を重ね、2003年に独立。2010年にオリジナルブランド「LECOTT」を立ち上げ、お客さまと1対1で作りあげるフルオーダーからハンドソーンウェルテッド製法中心の既成品までを展開。色や形はお客さまの好みであらゆるパターンに対応しながらも、基本となるラストは日本人の足型に合う小ぶりのヒールカップとウエストの絞りで足を包み込む履き心地です。

コルテはシュール・ムジュール(オーダーメード)の技術をベースにした芸術的なデザインで知られています。創業者のピエール・コルテは靴の専門教育を受けた後、ジョンロブ、ベルルッティなどで経験を積み1990年に独立。パリのヴァンドーム広場近くのヴォルネイ通りにシュール・ムジュール・シューズのアトリエをオープン。2001年からレディ・トゥ・ウェアも展開し、多くの人にその存在を知らしめてきました。コルテは独創的で芸術的な美的感覚とグッドイヤーウェルトやべベルドウエストなど高い製靴技術を融合しモードやクラシックを超越した靴を生み出してきました。

シャンクにはブナ材を使用してアーチに程よい硬さを実現。最上級の素材と手間ひまかけた丁寧な仕上げなど、随所にビスポークシューズの手法を使い芸術的な靴を完成させています。サイドエッジの先端にあるベクデーグル(鷲のくちばし)と呼ばれる曲線の美しいトウも特徴的。エレガントな細身で甲の低いシェイプデザインはすべての日本人向きとは言えませんが、こういった足をお持ちのお客さまにとっては、ほかにないエレガンスを発揮してくれます。

渋谷らしいスニーカーとしてPREMIATA(プレミアータ)をご紹介します。上質な靴作りで知られる地域のイタリアのモンテグラナーロで1885年に創業した老舗シューズブランドのPREMIATAは最初、革靴ブランドとしての100年以上に渡る歴史とクオリティーの高さと履き心地により日本でも一世を風靡しました。そのプレミアータが手掛けるスニーカーは独特です。生産地はベトナム。レザーはもちろんナイロン素材までわざわざアッパー素材をヨーロッパから持ちこんで作っています。特にナイロン素材はプラダやオロビアンコ、フェリージなどが使っている「リモンタナイロン」を使用。

実はベトナムはナイキやアディダスも工場を持つスニーカーの一大生産国です。プレミアータのスニーカーはスニーカーに欠かせないクッションなどの作りに高い技術を持つベトナムを選んで生産しています。「ホ」に見えるサイドのマークはブランド名の「T」とデザイナーが好きなロックの聖地であるイギリスの国旗「ユニオンジャック」にインスパイアされ、デザインされているということです。

もうひとつのお勧めがVOILE BLANCHE(ボイルブランシェ)。これもイタリアブランドのスニーカーです。ボイルブランシェはヨットセーリングからインスピレーションを得たウルトラライトシューズです。2004年、ヨットの「白い帆」を意味するVOILE BLANCHE (ボイルブランシェ)がスタートしました。ボイルブランシェはセルビアに自社工房を持ち、靴製造40年以上の経験をもとに大量生産品とは一線を画すデザインとクオリティーを生み出しています。

使用するソール以外の素材はすべてイタリア産。アッパーに使用するナイロンは、元々はヨットセーリングで使用する帆素材「Dacron」のセールクロスに洗いをかけたものを使用していました。イタリアンラストならではの細身のシルエット、流線型のフォルム、計算されたソールパターン、また日本人の踵にもぴったりと合う小ぶりなヒールカップも特徴で、世界の一流百貨店でも扱われています。

ヨーロッパで皮革産業のルーツはイスラムの技術を継承したスペインから始まり、今もスペインの靴産業は有名です。またヨーロッパにはフェラガモやJ.M.ウエストン等、アメリカ帰りの創業者が始めた靴ブランドが多々あります。さてアンドレス・センドラの歴史は1913年のスペインの小さな工場から始まります。創業者のAndres Sendraは1900年にアメリカへ渡り、ワークブーツがスタイリッシュなカウボーイブーツへと変化していくのを目の当たりにし、アメリカから帰国。弟のVicenteと元顧客のHermanos Sanchezと1913年にブーツメーカーを立ち上げました。Sendra兄弟は1919年から、アメリカで発明された耐久性あるグッドイヤーの技術を取り入れ、スペイン、アルマンサに工場を設立。1950年代になり強力な接着剤が発明され、多くのメーカーがローコストな接着靴に変更する中、Sendraはグッドイヤー製法を忠実に守り続け、現在も耐久性の高い靴を生産し続けています。創業当初から得意とするウエスタンブーツをはじめ、ドレスシューズ、カジュアルシューズまで上質な素材と様々な技法でコストパフォーマンスの高い靴が作りあげられています。

PROFILE

八木法子 石川隆

Yagi Noriko Ishikawa Takashi

販売リーダーの八木さんは、スポーツ部門の出身。ここでもスポーツシューズなどを担当していましたが、現在は紳士服フロアのドレスシューズとスニーカーの両方を担当する販売リーダーです。石川隆さんは元は本部商品部で長年紳士靴のバイイングをされてきた靴のエキスパート。フィッティングからメンテナンスまであらゆる知見をもってお客さまの靴選びのお手伝いをしています。

お手数ですが、お問い合わせ内容欄に必ずF12 西武渋谷店 紳士靴売場と記入してください