SOGO SEIBU TransCulture

F13 西武渋谷店 南翔饅頭店 地下2階 セタンジュ 小籠包の真打

中国の食文化は古くから日本で最も親しまれてきた外来食文化でいつも広い世代に人気です。中でもユーラシア大陸を西から伝わってきた小麦粉料理の中国の代表は日本でもお馴染みの中華麺と饅頭(マントウと読みます)。マントウとは小麦粉を発酵させ蒸した中国風蒸しパンです。その中で、中に具や餡が入ったものは包子(パオズ)とも呼ばれます。広い中国でも温暖な地方は米食が中心ですが寒冷地は米の栽培が難しく小麦粉食が中心です。小麦粉は酵母発酵させる度合いで餃子や焼売の皮のようなモチモチした食感から中華まんじゅうや中華蒸しパンのようなフワフワのものまであります。小籠包は殆ど発酵していない薄い包子の中に熱いスープが入った小ぶりなもの。上海が起源とされる伝統的な逸品です。お箸で取ってレンゲにのせてスープをこぼさぬようにいただきましょう。【2021.12月記】

店内に掲げられた3枚のプレートがこの店の歴史を物語ります。上は「中華老字号」(2006年)。中華人民共和国の国内貿易部(現商務部)より認定された称号です。歴史が長くて代々引き継がれてきた伝統商品、技術、サービスで中華民族の伝統文化を持ち、信頼性が高い老舗の証明です。中は「上海市著名商」(2005年)。上海市工商部門より認定される商標で、社会的に高い知名度があり、商品の品質や市場での信用性が高く、直近の3年間の売上が業界内で上位にあり、ブランド管理が完備されている証明です。下は「上海市非物質文化遺産」(2007年)。上海市文化放送テレビ局が認定し、上海市人民政府が承認・公開する文化遺産。日本の「無形文化財」に似ています。この看板の味を守るべく、今日も上海本店から派遣された点心師が店頭で小籠包を包んでいます。まさに日本の小籠包の極め付けのお店です。

上海の代表的観光地である明代の庭園、豫園(よえん)。「豫」とは愉を示し「楽しい園」の意味です。面積は約2万㎡と広大で、元四川省長の潘允端が1559年から18年をかけ造営しました。1900年に創業者の吴翔升はここで「南翔小籠包店(当時の店名)」を開業。創業以来100年以上を経て、今も行列が絶えません。南翔饅頭店は日本・インドネシア・シンガポール・香港などにも展開し、中国の美食文化を伝えています。また英国のエリザベス女王など世界の国賓にも愛されています。厳選した豚ひき肉に、鶏と野菜のスープで豚皮を煮て作るゼラチンを混ぜ、旨味を引き出しています。南翔小籠包は「皮が薄い」「具が大きい」「肉汁がたっぷり」「形が美しい」ことで人気です。

「熱々の小籠包から溢れ出る肉汁を口にすると、一瞬の幸せが流れてくるようで、やみつきになります。」という三谷店長の言葉には多くのお客さまが強く同意されているようです。食べ始めるといくつでも食べたくなります。

南翔饅頭店では小籠包を中心とした点心類だけでなく本格的中国料理が楽しめます。手軽なランチから気の置けない仲間とのご会食まで楽しめる、このお店のファンの方はたくさんいらっしゃいます。写真は「上海コース」。前菜3種/小籠包4種(小籠包 1個・海老入り小籠包 1個・鮑入り小籠包 1個・トリュフ入り小籠包1個)/点心2種(上海蟹みそ入り春巻き・もち米焼売)/炒め物2種(海老のチリソース煮・上海名物 黒酢の酢豚)/ふかひれ姿煮/海鮮あんかけ焼きそば/マンゴープリン または 杏仁豆腐です。

ランチに人気の担々麺セット。小籠包と担々麺という、黄金の組み合わせですね。

ホールはシックなモダンシノワテーストで落ち着いた雰囲気です。

PROFILE

三谷 信司店長

Mitani Shinji

南翔饅頭店 西武渋谷店の三谷店長は大学卒業後に2年間中国の瀋陽に語学留学し中国語(北京語)が流暢です。帰国後は貿易会社など様々な業種を得て2015年から南翔饅頭店に入社し六本木店で副店長を経験、2017年から西武渋谷店に異動し現職を務めています。得意の北京語を駆使しホールと厨房のコミュニケーションを毎日円滑に行なっています。「南翔饅頭店の小籠包から溢れ出る肉汁を口にすると、一瞬の幸せが流れてくるようで、やみつきになります」とのこと。また小籠包を包む何 慧娟(カ ケイエン)さん、談 順珍さん(タン ジュンチン)さんは南翔饅頭店の上海本店でも厨房を担当した小籠包のプロです。

お手数ですが、お問い合わせ内容欄に必ずF13 西武渋谷店 南翔饅頭店と記入してください