SOGO SEIBU TransCulture

K48 西武池袋本店 平成レトロ カメラ&ギター ミュージアム 2023年1月18日(水)~31日(火)5階(中央A6)=イベントスペース NEWS 「音と映像の若者文化」を振り返る

時代は令和へと移り変わり、早4年が過ぎ去りました。加速度的に変革する時代に逆行するかのごとく「平成」への関心が高まっています。平成の「良質」を見つけ出し、次世代へとつないでゆくポップアップストア。バブル期~2000年ごろに製造・発売された日本メーカーのカメラ&ギターを取りそろえました。日本のモノづくりが活気にあふれていたころ、元気だった日本の若者たちはこぞってバンドを組んでギターを演奏し、レコードから変わって音質が向上したCDのサウンドに夢中になりました。また一眼レフからコンパクトカメラまで日本製カメラは世界中を席巻していました。若者たちが今よりもっと日本の文化を牽引していた時代、日本製の楽器やカメラ「音と映像」はいつもその中心にありました。平成レトロ カメラ&ギター ミュージアムでは、そんな時代に溢れていた熱気が感じられます。【23年2月記】

サイケペイントに惹かれる
hideがXのセカンドアルバム「Jealousy」のころから1994年ころまで愛用していた通称「サイケ」モデル。数あるhideモデルの中でも特に有名な一本です。発売から約30年もの歴史を誇る超ロングセラーモデルです。●Burny(バーニー)/MG-120X 色:Psychedelic Graphics on Black(サイケデリックグラフィックスオンブラック)製造年:1990年代後半~2000年ごろ

高性能トーンマシーンを体現
1990年代以後ジャクソンの廉価ブランドと位置付けられたシャーベルのディンキーモデル。優れたサウンドとフィーリングを求める目の肥えたプレーヤーたちに、40年以上にもわたって愛用され続けています。●CHARVEL(シャーベル)/DK-090-SSH
色:Blue Crackle(ブルークラックル)製造年:1990年代初頭ごろ

平成8年のカメラグランプリに輝いた名機
最小クラスの小型ボディーに高性能レンズを搭載。●MINOLTA(ミノルタ)/TC-1

平成14年発売のフィルムコンパクトカメラ
グリップランプが青く光るユニークな機構が特徴です。●PENTAX(ペンタックス)/ESPIO 120SW II

注目の2本
左)1990年代半ば〜2000年代初頭にかけて絶大な人気を誇った、あのメロディックパンクバンド。メンバーはヘビーメタルに遺詣が深いことから、ESPやナビ
ゲーターの楽器を長く使用しており、その影響で同じESP系列であるエドワーズやグラスルーツのレスポールなどが人気を博し【メロコア=ESP!】というイメージを定着させました。本品はイベントへの出品にあたり、特に有名なナビゲーター[N-LP-97 HONEY KEN]風にガムテープを貼ったアレンジをしています。●EDWARDS E-LP-85SD

右)『ロリロリのギターでゲロゲロのリフを弾く』といコンセプトの元で製作、1996年のDAHLIA TOURにてお披露目された、通称【イエローハート】のhideモデル。1998年に市販化が行われ、以降25年にわたり製造され続けている超ロングセラーモデルです。ギターを弾かない人でも一目で【hide】と分かる。そんなギターとギタリスト、現代ではありえませんね。ペグとピックアップを、hide本人の使用ギターと同じ物にアップグレードしてあります。●BURNY MG-145S HY

 

平成時代はフェンダーやギブソンだけでなく多くのギターメーカーが個性を競っていました。アメリカでは元フェンダー従業員が設立したシャーベル社、さらにシャーベルのクラフトマンが設立したジャクソン。現在、ジャクソン/シャーベル社はフェンダーが経営権を買い取ったそうです。またビル・ローレンスは日本の輸入代理店が立ち上げたオリジナルギターで当時の若者の心をつかみました。

実はフェンダーやギブソンよりも歴史ある世界的楽器メーカーYAMAHAを筆頭に多くの日本のギターメーカーも、当時はその多くが日本製造であったためクオリティーの高さが見直されています。ESPはヤマハからグレコの設計担当をしていた創業者が立ち上げた東京のギターメーカー。ここからZEP-Ⅱ、EDWARDS、Grassrootsといったエントリーブランドも派生して誕生しESPは日本全国に普及しました。

当時の演奏記録媒体はCDが主流。シングルCDは、日本独自の8cm規格でした。またバンド情報の伝達手段も現在のネットではなく紙媒体が主流。バンド音楽雑誌も花盛りでした。現在も続く「Player」だけでなく「GiGS」「バンドやろうぜ」などが書店の棚を賑わせていました。

平成時代は日本メーカーのフィルム式コンパクトカメラが最後の輝きを見せていました。オリンパスμZOOM140VFは平成12年(2000年)の発売。シドニーオリンピック開催の年でした。レンズカバーを開くとズームレンズが飛び出し、ストロボもポップアップ。レンズカバーを閉じるとレンズもストロボも元に戻るというメカニカルなギミックも人気でした。

 

巨大なズームレンズを付けた一眼レフも当時はフィルム式でした。ニコンなどマウント形式を変えなかったメーカーは、当時の交換レンズをその後のデジタル一眼レフに使えるモデルもあります。カメラの製造は当時から日本のお家芸でした。

もちろんレンズ付きフィルムと言われた「写ルンです」をはじめとした写真フィルムもメーカーの数は減少したものの、健在です。若い世代の方々にとってはデジタルではない「銀塩フィルム」で撮った映像がエモいという評判で、とっておきの一枚を撮るためのフィルムカメラを探している方も多いとのことです。

PROFILE

村尾涼美

Murao Suzumi

村尾氏は名古屋本店本館でカメラ・楽器グループのチーフを務めています。今回のポップアップでは、暮らしを彩るカルチャーアイテムを通じてKOMEHYOの良質へのこだわりを知ってもらいたいと考えています。

お手数ですが、お問い合わせ内容欄に必ずK48 西武池袋本店 平成レトロ カメラ&ギター ミュージアムと記入してください