SOGO SEIBU TransCulture

K80 催事イベント「竹」の使い方を
こんなに考えたことはなかった展
西武池袋本店7階(南)=催事場A 2023年10月20日(金)~11月5日(日) 「最高クラスのSDGs資源」としての竹を見直す

竹は、昭和の中ごろまでは、ほうきやカゴなどに加工され日用品として使われていたほか、食用になるタケノコも採れる、身近な存在でした。しかし、暮らしの道具がプラスチック製品に置き換わり、海外から安価な竹が輸入されるようになり日本の竹林は放置されるようになりました。また、竹はほかの広葉樹などの成長を阻み植生を乱すとされています。さらに根が浅いため、斜面が竹だらけになると土砂災害の危険も増すため「竹害」という言葉が生まれています。さらに竹は成長が速く、送電線などにからむと停電の原因となるので竹林はほぼ毎日伐採する必要がありますが、膨大な作業量です。また切った竹を積んだままにしておくと、崩れる可能性もあり危険。しかしマーケティング視点で見ると、肥料がいらず、成長が早い最高級のSDGs資源ともいえます。しかも抗菌効果、消臭効果も高いことから田澤さんは山口県防府市にあった地場産業の竹の洗剤製造事業を引き継ぎ、竹炭、竹灰、湧き水だけを使い2018年から竹の洗剤、虫よけスプレー、消臭剤などを本格的に製造・販売し始め、あわせて宇部市からの要請で竹を使った日本全国の竹産業を紹介する竹の総合施設「竹Labo」を運営しています。【23年10月記】

左上)竹と電気自動車
●山岸竹材店(高知)/竹トラッカー(展示のみ)地域資源として代々守り続けている高知県須崎市安和でしか生育しない、表皮に虎模様の浮き出る不思議な竹「虎斑竹(とらふだけ)」を使った虎竹電気自動車「竹トラッカー」。二人乗り。
右上)竹と自転車
●Spedagi Japan/竹自転車(展示のみ)インドネシアのバンブーから製作された自転車と、竹と多摩産の木材でできた子ども用自転車。
左下)竹と茶室
●中川竹材店(京都)/簡易式茶室ユニット「茶の間」(展示のみ)国産竹を使用し京都の工房で製造された0.5畳の茶室。
右下)竹と灯り
●カナエリア(三重)/いのち(33cm)
放置林から切り出した竹に細かなデザインをほどこし、ロウソクや LEDライトで明かりを灯す「竹あかり」。三重県の工房で職人が1点ずつ手づくりしました。

左上)竹と家具
●横山竹材店(京都)/やたら編みベンチ 1919年創業の竹材中心の建築内外装材を手がける横山竹材店が手掛けた美しさと強度を兼ね備えた「やたら編み」ベンチ。
右上)竹を使う
生活の中で使える「竹」製品をラインアップ。インテリアから生活雑貨まで、さまざまな「竹」の使い道をご提案。[画像左上から時計回りに]●エシカルバンブー(山口)/バンブークリア(衣料用洗剤)●エシカルバンブー(山口)/バンブーチャコール(消臭・調湿用)●グリーンネクサス(熊本)/竹あかり●おもやい(福岡)/すだれコースターセット
左下)竹を食す
竹炭を使った食品●[画像上]出雲ファーム(山口)/月輪(バウムクーヘン)●[画像下]白銀本舗 株式会社 杉本利兵衛本店(山口)/竹炭竹輪<Chikuwa Bar Bamboo Black>
右下)竹と珈琲
●タータン珈琲・田中屋(東京・荻窪)×竹ラボ(山口)/CUP inコーヒーゼリーソフト ダッチ式のウオータードリッパーで知られる荻窪の「タータン珈琲・田中屋」のカフェ。会場では、コーヒーゼリーソフトは竹のスリーブを付けたカップで提供。

PROFILE

田澤恵津子

Tazawa Etsuko

田澤さんは山口県防府市で、竹炭と湧き水だけで作られた洗剤などを製造・販売するエシカルバンブーの代表を務めています。田澤さんは東京生まれの東京育ちで最初は当時の西武百貨店から社会人キャリアをスタートし、企画の仕事に興味を持ちます。その後カナダへ留学、そこでマーケティングや環境問題を意識するようになり、帰国後は総合商社の秘書室、大手家電メーカー、外資系ヘルスケアメーカー、大手広告代理店を経て2006年に独立。2008年に広告代理店時代につながりができた電力会社の担当者からの「伐採した大量の竹を活用する方法を提案してほしい」という相談が田澤さんと竹との運命の出会いとなりました。その中で、原料が竹炭と湧き水だけの「竹の洗剤」が山口県防府市で作られていることを知り、この地元の高齢者たちが運営する会社を引き継ぐことを決意。こうして2015年、田澤さんは正式に竹ミネラル製造業務を事業継承しました。この竹ミネラルを商品化したのが、現在の主力商品である竹の洗剤「バンブークリア」。2016年にはエシカルバンブーを設立し、小さな製造工場を建設。約2年かけて製造ラインを整備し、2018年からバンブークリアを本格的に製造・販売し始めました。バンブークリアは一般的な合成洗剤に比べれば高く、価格競争では勝負できませんが、希釈すれば掃除用洗剤や入浴剤としても使えるほか、少量で効果があるので洗濯1回あたりのコストは一般の洗剤より安価です。そこで販売先を産婦人科や助産院、美容院や薬局、皮膚科、国立公園の売店などに絞りました。大きな災害などが起きるたびにほとんどすすぎのいらないバンブークリアは、被災地から歓迎の声があがっています。

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